ネルのお寝巻をリメイクしたジャケット 【末叔母が着る】
新品のネルのお寝巻をリメイクしたショートコート を手に入れたおっかさんは
「コレ、いらねぇなぁ」と 先に作った着古しネルのリメイクジャケット を猫つまみして眺めていました。
「・・・あ、そうしよ」
処遇が決まったようで、部屋の隅に投げてた。
週末に叔母が来ました。
母三姉妹の末の叔母。
高校時代に長姉のおっかさんが毎日毎日お弁当を作ってくれたと有難がっている。
お弁当に毎日毎日ベーコンがはいっていたことを
「姉ちゃんよっぽどベーコンが好きなんだなぁ。
好きなモノを惜し気もなく分け与えてくれる姉ちゃん、ありがたいなぁ」
と、思っていたようです。
毎日同じモノ詰めるなんて、手抜きのやっつけ仕事だろ。と、思ったのですが、黙ってた。
「今でも姉ちゃん、ベーコン好きなの?」と訊かれたので、
「大好きだよ」と応じて末叔母を満足させてやった中学時代を思い出します。
茶を淹れて居間に戻ると、
さっそく末叔母が不要のネルジャケットを着せられています。

ハイネックにセーターを重ね着して、第一ボタン閉めの小さい襟では苦しそうです。
第二ボタンで、だいぶ楽。

機嫌よくポーズをとる末叔母に、

「変なほうのネルを貰ったんだね」ついつい教えてあげた。
「えー、姉ちゃん、こっちが良いネルだって言ってたよー」
確かに、生地自体は末叔母に払い下げられたネルのほうが良い生地です。
しかし、押入れ焼けした変色が臭うようです。
腐っても鯛といっても、やっぱり腐ればアジに劣るでしょうよ。
すかさずおっかさんが「わたしのネルも見せてやる」と 新品ネルで作ったショートコート を羽織ります。
「どうだ!!」
「姉ちゃんに似合うよ」
「そうだろう!!」
姉を立てる末の叔母。
最後までジャケットの襟を立てるコトはなかった。

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