赤い布3kg処分 老婦人にジャケットを作る 【仕上げる】
ポケットが付きました。
前身頃縫い代のポケット上下に切込みを入れて、

後ろへ倒す。

脇にまとめて端ミシン処理をします。

なんとなく、ポケット口下のポケット布は避けておく。

端に縫い留めないことで、ポケット底にちょっとしたマチの余裕が出来ると思います。
まぁ、そんなにモノを詰め込まないと思いますけどね。
なにせ老人は巾着とセットで行動して、細々しいモノはなんでも巾着に入れるものですから。
そして巾着はなにを容れても不思議とかさばらない。
ポケット布の先が裾から下にはみ出さないように、

ループを編んで捕まえておく。

ポケット関係のすべての処理を終えて、
ポケット口上下に折り返しステッチをかける。

そんなこんなの仕上げをしていると祖母の妹が電動自転車に乗ってやって来ました。
「なんだそれは、なにしてる、なんなんだ」
すげーうるせぇの。
友達のおばあちゃんにジャケット縫ってると教えると、
「どれ見せてみろ。アタシの眼以上に確かなものはない!!」
広げる。ながめる。
裏、表、内、下からあおりで確認した挙句、
「なんだこれはーーー!!」
ホントうるせぇ。
「よくもこんな布で作ってまぁ~~っ、台無しっ!!」
「気がふれたみたいな赤!!肌着より薄いようなしみったれた生地!!」
「なんでちゃんとした生地で作らないの」
「こんな生地で、こんな色でさえなければこのおババが高々と買い取ってやったものを!!」
まったくの他人に作ってるってコトを痴呆している。
「このアタシをそこいらの独居老人と同じにされちゃ困る。
アタシの高々は2,3万程度の小金じゃぁないからねっ!!」
冷やかしの嫌味の皮肉かなと思ったので、
「こんな布しかもっていないウチのババアは悪いババアだね」と言ってみると、
「ホントに悪いババァだっ!!」
本気で悔しがってる。
大叔母はただ、率直さが短絡で、正直が本気なだけのようです。
近所で嫌ってる人もいるだろうなぁ。
金離れのよさでチャラなのかな。
「どういうつもりでこんな布っ」吐き捨ててる。。。
祖母が順序だてて説明しています。
昔はどこの家も布団を手縫いした。
今はもう布団は縫わない。
布団を縫う用に買った布が余って残っている。
「あぁ~、そぉ~だよねぇ~、、、」
あらぶる妹が、姉によって鎮められました。
すっかり大叔母も落ち着いて、週末に呼ばれている結婚式の話になりました。
「こんな歳になるといったい何を着ていったらいいものか、さっぱりわからん。
支度が進まない」
結婚式は泊りがけだそうです。
「その服が赤でさえなければ道中着にしたものを」・・・と、まだ絡んでくる。
「うずらの母さんもこの前、結婚式だったって?どんな格好だった?何を着ていた?」
ただのブラックフォーマルでした。
なんだかその話をすると面倒な気がしたので、
「ウチの母さん、親戚の母ちゃんから総絞りの着物を貸してやるとしきりに言われてたそうだよ。
着る服がなかったら親戚の母ちゃんから着物借りたらいいよ」
話題を母から親戚の母ちゃんに転じてみた。
とたんに、
「へっ!!」
親戚の母ちゃんは、祖母と大叔母の弟の嫁。
「絞り1枚作った程度でいい気になって!!」
小姑、コワッ。
姉の方に向かって、
「絞りなんて結婚式で着られるか。まるで解っちゃいない」
大島や絞りはどんなに高くても普段着でしかないので、フォーマル着にはならないそうな。
「そういう拘りのないところが、あの人の好いところなんだよ」
「・・・まぁ、うん、確かに、好いところだわなぁ」
あっさり姉にたしなめられる妹。
「時間だから帰る!!」
来るのも帰るのも、勝手で突然。
帰り際に、
「その色でなければ。。。」
まだ言ってから帰っていきました。
大叔母のこなしっぷりったら、、、
確かにウチのおっかさんの血筋を感じました。

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